普段からそんなに強いメイクをしないためか、化粧ポーチの中も決して多いものではなかった。
身だしなみ程度のファンデーションをつけ、口紅代わりとなるリップを引く。

目元も、薄くシャドウとアイラインを引くと、つやのある唇に目元にメリハリのある、それでいて違和感のないメイクが出来上がった。

メイク中、なにか男から仕掛けられないかと期待していたが、男があなたの後ろに合わられることはなかった。

おかげで奇麗にメイクができたわけだが、しかし少しもどかしい感じもする。

髪をとかし、鏡の前で服装を整えると、あなたは男のもとへと戻る。

すっかりと支度は完成しており、あなたが化粧ポーチをしまうと、二人は部屋を後にした。

部屋を出る直前、男はあなたの腕をつかみ引き寄せると、そのまま軽く口づけをする。

不意のことに驚きながらも、あなたは何も言わずただはにかんだ。

浮足立つわけでもなく、どちらかと言えばこの時間の終わりを告げるのにふさわしい、そんな行為を、あなたの心も肯定的に受け止めた。

この瞬間から、人として扱ってもらえる。

そんな切り替えと、調教時のギャップがあなたのM心を尚もくすぐるのだ。

二人は車に乗り込むと、男の運転でレストランに立ち寄った。

運転だからアルコールはなかったが、そのお店お勧めだというピザに舌鼓を打つ。

今までの時間が嘘のように、どちらかとなく会話を投げかけ、そしてそれによって会話が弾むのだった。


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付けるリードは男から。必ず使用しましょう。



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